太陽光発電ビジネスの現状

世界的な経済不況の中、太陽光発電ビジネスが国内外を問わず大いに注目を集めています。国による新エネルギーに対する政策支援も後押しとなり、官民一体となり太陽光発電ビジネスを盛り上げ、拡大の一途を進む様相を見せています。
現在までの太陽光発電ビジネスの経緯と、爆発的に盛り上がった要因、国内ではじまった異業種による市場参入などを紹介しながら、太陽光発電ビジネスの現状についてご紹介いたします。

活況を見せる太陽光発電市場

2009年11月より新たな売電システムが導入され、住宅用で48円/kW(平成21年度)で電力会社に売電できます。 これにより今までになく初期投資の回収期間が短くなっています。経済産業省の資産(モデルケース※)においては、設置後10年での回収が可能な試算となっています。 ※新築の場合、詳細は経済産業省のwebサイトをご参照下さい。

国内における太陽光発電は、オイルショック後にエネルギーの安定供給を目指して策定された「新エネルギー開発計画(別名:サンシャイン計画)」以降、着実な歩みを進めてきました。日本は、太陽電池の導入量で、長期間にわたり世界市場を牽引していましたが、2005年には政府の住宅用補助金が打ち切られ、固定電力買い取り制度「フィード イン タリフ(FIT、※1)」の導入成功を期に一躍世界トップに躍り出たドイツに水をあけられました。

これに対し、2009年、日本政府は太陽光発電の「国内導入量を約20倍にする」という目標を掲げ、2009年度補正予算まで累計560億5,000万円という莫大な補助金を割り当てました(同額は計20万世帯以上の交付額に相当)。2008年7月、政府は「3~5年以内に太陽光発電システムの設置コストを半減することを目指し、導入支援を閣議決定。2009年1月に太陽光発電に国から1kWあたりにつき7万円の補助金を開始。そのほか地方自治体ごとにも、独自の補助金や優遇制度を用意するなど支援策を講じています(2008年10月現在で172自治体)。

家庭での導入が進む太陽光発電システム

現在、一般的に家庭用の太陽光発電システムの平均設置価格は、1kWあたり70万円前後 ※2。4kWのシステムであれば280万円前後が目安となります。この費用は、一般家庭で消費する電力を賄うことで電気料を削減したり、余った電力を電力会社に売却したりできます。

家庭用の太陽光システムの仕組み
家庭用の太陽光システムの仕組み

現在の補助金制度、売電制度は、経済産業省の試算において、設置後10年での回収が可能となっています。

深刻化するエネルギー自給率や地球温暖化対策、新規産業の立ち上げによる雇用の創出においても、太陽光発電は今後の日本経済を担う重要な産業(新ビジネス)であり、技術面や市場規模の面で大いに期待されている分野でもあります。
官民一体となった産業の育成や、企業による持続的な技術革新が続くことで、これからも順調な推移が期待されています。

異業種が続々と参入する太陽光発電ビジネス

2008年度の住宅用太陽光発電システムの販売実績は、全国47都道府県で27,020件(設備容量95,874kW)を記録。 前述どおり、一般住宅における太陽光発電の導入量は、2005年度の補助金終了を境に留まっていましたが、2008年度からの政府の後押しによって再び盛り上がりを見せています。また、太陽光発電システム(または構成機器)や、施工・工事費の低価格化によって、市場規模が膨らむことが大いに予想されています。

        年度別システム価格内訳の推移
住宅用太陽光発電システム価格の推移 縦軸がシステム価格の内訳
住宅用太陽光発電システム価格の推移 縦軸がシステム価格の内訳
平均システム価格は69.6万円/kW、付属機器が16.3万円/kW、施工費が9.7万円/ kW
※ 平成19年度調査 新エネルギー財団(出典)

そんな中、急成長する市場を巡り、様々なメーカーが太陽光発電ビジネスに名乗りを上げています。
とりわけ太陽光発電システムには、様々なジャンルから企業が参入。太陽電池メーカーや住宅メーカーをはじめ、自動車販売店(ディーラー)、不動産会社、石油卸会社(ガソリンスタンド)、家電量販店、訪問販売専門業まで多岐にわたっています。新規参入に名乗りを上げた各社は、基幹ビジネスで築きあげた販売チャネルやノウハウ、特性を活かし、太陽光発電システムの販売網を獲得しようとしています。

様々な業種から太陽光発電ビジネスに新規参入
様々な業種から太陽光発電ビジネスに新規参入。
既存チャネルを足がかりにして太陽光発電ビジネスの新規市場獲得を目指す

太陽光発電の普及のカギは地域の販売力と技術力

販路のキーパーソンになるのが、全国各地の代理店(工務店等)です。太陽光発電システムの流通を広げるためには、1.「販売力」、2.「技術力」(設置・施工)、3.「製品力」(アフターサービスを含む製品の品質)――この3つが重要視されています。

太陽光発電システムビジネスに求められる3つの力
太陽光発電システムビジネスに求められる3つの力。これらの力をつけた代理店が、エリアマーケットを拡大できる

特に、太陽光電池モジュールを屋根に取り付ける際、取り付け工事の技量が不足していると、雨漏りや、風雨や雪などの天候によってシステムが破損するおそれがあります。製品特性や施工ノウハウの知識不足によるトラブルも多く発生しており、エンドユーザーからみると「信頼のある施工業者(プラス、太陽光発電システム製品)」を選ぶことは重要なポイントと言えます。また、見積書の施工料に関しても、エンドユーザーの知識不足によって過分な料金を払う場合も少なくないのが現状です。

これらのトラブルを解消するため、新規参入業者は代理店に対してフェース・ツー・フェースの販売講習やシステム施工研修、試験を行う施工士認定制度、太陽光発電システムの販売・技術セミナーなどを実施することで、販売力と技術力の底上げを図ろうとしています。

自治体や電力会社、公共交通で普及が進むメガワットソーラー

太陽光発電システムは、発電量が4kWの一般家庭以外に、出力が1,000kW以上の「メガワットソーラー」が普及しはじめています。これは、自社の電力をまかなうという意味での大規模発電ではなく、「電力の販売そのものをビジネスとする発電所」の敷設です。

各都道府県にある大手電力会社では、太陽光発電の安定供給を図る実証実験と新エネルギーの研究開発のためメガワットソーラーの太陽光発電所建設に名乗りを上げ、その計画が進行しはじめています。電気事業連合会によると、2020年度までに電力会社10社で約14万kWの発電所を建設するという計画を発表しています。

これによりメガワットソーラーを有する発電所が、全国で約30拠点になる予定です。
そのほかにも空港や駅など、屋根や敷地面積の広い公共交通施設でも、メガワットソーラーの設置計画が続々と発表されています。

ヨーロッパやアジアに遅れをとった日本の太陽光発電システムビジネスは、産業用、民生用ともに今、新たな舵を切り始めています。

  • ※1 エネルギーの買い取り価格を法的に定めた助成制度のこと。ドイツ政府は電力会社に対して、フィードインタリフの上限を撤廃し、今後20年にわたり太陽光発電で作られた電力に対して高価な買い取りを義務付けた。これによって企業や事業者はもちろん、一般家庭においても太陽光発電の普及が急加速した
  • ※2 屋根の形状や屋根材の種類、太陽電池の種類によって多少変わる
    平成19年度 住宅用太陽光発電システム価格及び発電電力量等について(出展:新エネルギー財団)

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太陽光発電ビジネスの現状

  • 活況を見せる太陽光発電市場
  • 家庭での導入が進む太陽光発電システム
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